Entries from 2019-02-01 to 1 month

さらに

主治医は、巧みの技で注射をさっと打ち込みました。 首には神経が集中しているので、この注射自体打つのが難しいと言います。 人によっては、打たれた場所が悪くかなり痛むそうです。 何事も経験なくして、技の熟練はありませんね。 しかし、ここからがまた…

高額な注射

この道20年、ジストニア専門家である主治医。 手に汗を握り、ビビる私。 主治医は、ボツリヌス菌を注射器に注入していきます。 私は、心臓が高鳴り、大きく息を吸引していきます。 2本で6万円を超えます。 保険が利いて、この値段です!

覚醒と睡眠と

この時期が一番つらかったかもしれません。 何もできないし、覚醒している間は、 首がどこまでも捻じれてきました。 横になっても駄目です。 睡眠時、以外は首が制御不能。 睡眠時は異常指令のスイッチが切れるそうです。 脳は不思議の宝庫です。 さて、いよ…

ギャップ

ボツリヌス菌が届くまでの二週間。 まだまだ耐え忍ぶ日々が続きます。 とくにこの頃は、 健康だったときとのギャップで苦しみました。 当たり前のことができない、 不自由への耐性がありません。 やり場のない、怒りだけが積もるだけでした。

脳の罠

確かに左にパソコンを置いて8年。 でも、一番長い人は10年。 主治医が言いました。 「病気はなる人、ならない人います。同じ環境にしても、風邪になる人、ならない人、インフルエンザになる人、ならない人それぞれです」 「そもそも、ジストニア自体は、詳し…

原因は何?

ボツリヌス菌が届くまで、あと2週間我慢。 これは仕方がありません。 「先生原因は何ですか?」 私は訊ねました。 いろいろ話をするうちに、 「パソコンを右に置いていたこと」だと指摘されたのでした。

自然界最強の猛毒

治療は、ボツリヌス菌を注射しながら、 首を調整することになりました。 パーキンソン病やてんかんに用いられる リボトリールという薬も処方されました。 治療が始められると思ったのも束の間です。 ボツリヌス菌は取り寄せに数週間かかると言われました。 …

治る可能性

比較的治る可能性が高い 3つの条件を伝えられました。 1.女性であること 2.若いこと 3.発見から治療まで早いこと 「7割の回復を目指しましょう」 医師の言葉が心に突き刺さりました。

いよいよ

いよいよ、1週間が経ちました。 埼玉県の大きな病院で診てもらう日です。 今回は紹介状もあります。 受付を済ませると、すぐに呼ばれました。 医者は一目見ただけで、 「痙性斜頸」だと断言しました。 やはり、専門家は違うなあと感心するのでした。

無力感

診断の日まで、 1週間どのように過ごすのか? 今思えば、地獄のような日々でした。 まず、今まで不自由がなかったため、 急にいろいろできなくなったからです。 運転や歩行はもちろん、 ほぼ寝てることしかできません。 無力感という言葉がピッタリでした。

杖と首のコルセット

首のねじれから、平衡感覚がなくなりました。 家の中にもかかわらず、ものにぶつかります。 箸を持って、まともにご飯が食べられません。 やり場のない怒りに、箸を投げつけてしまいました。 そして、すぐに後悔するの繰り返しです。 嘆いていても、現状は変…

まずは1週間

とりあえず、 この1週間をどのように乗り切るか切実な問題です。 しばらく仕事を休むことを職場にも伝えました。 頭の隅では、「今は一番忙しい時期」だと認識がありました。 さっさと治して、復帰しなければと簡単に考えていました。 そのときは、まさか長…

限界の限界

症状は判明しましたが、 埼玉県の浦和にある病院まで1週間。 もう限界の限界。 しかしどうしようもありません。 私の場合は、 右の頭がどこまでも捻じれる現象です。 ベットやソファに頭をかませないと、 本当に大変でした。

正体

光明は見えてきましたが、 これからさらに1週間経たないと専門家にも診てもらえません。 しかし、暗澹たる気持ちよりも、 安心感の方が勝っています。 原因不明が一番イヤなものです。 病名がついたことが何よりの救いでした。 「痙性斜頸」(頸部)ジストニ…

人生初の麻酔

限界まで働いていたので、 三か月も待ってられません。 「はい」と私は答えました。 医師はその場で電話をかけてくれました。 「来週の土曜日、埼玉の〇〇病院に行ってください」 「首痛みますか?効かないと思いますが」 と言いながら、麻酔を首や肩に打た…

はじめの一歩

診断した医師は早口だが、 頭脳の明晰さが滲み出ていました。 一目で「痙性斜頸」と言い当てました。 「東京では3か月待ちですね」 ジストニアは、専門医が少ないと言います。 医師は思案して、 「埼玉行けます?」と訊いてきました。

安堵と憤怒と

まずやってきたのは「安堵」 これが素直な気持ちです。 原因がわかったからです。 次にやってきたのは「憤怒」 あのヤブ医者め!(頭にその医師が浮かびました) 認知度の低い病気とはいえ、 あのような対応をされたことは二度と忘れません。 (はっきり「違…

やっぱり

「痙性斜頸(けいせいしゃけい)ですね」 診察に入ると、言うが早いか、 目の前の医師が告げました。 「やっぱり」という思いが、 私の胸の中に広がります。 安堵や怒りなどが渾然一体となり、 私の心を満たしていくのでした。 (目の前の医師には感謝しかあ…

首の専門医

朝一番でしたが、 病院にはすでに多くの人が来院していました。 神経内科に首の専門医が、 偶然いるとのことです。 ただし、紹介状もなく、 患者も多いので診てもらえるかはわかりません。 問診票を書いて、 しばらく、待っていると名前を呼ばれました。 不…

紹介状も持たず、病院に行く

小糠雨の中、妻に連れられて、 大きな総合病院に行きました。 その病院には一度、 夜間急患で訪れたことがあります。 受付で「紹介状はありますか?」と訊かれました。 「ありません」と答える私。 そこまで考えが及びませんでした。 職場に頼めば、書いても…

限界

年度末が近づくにつれて、 首の痛みは増すばかりです。 しばらくは、 首を右手で押さえながら仕事をしていました。 仕事は3月が繁忙期。 そうやすやすと休むわけにはいけません。 しかし、もはや電車に乗るのも精一杯です。 仕事どころではないという状況に…

分水嶺

違和感のまま、しばらく仕事を続けました。整形外科での問診で医師に「メンタルを見てもらいました」と報告しました。 すると、医師は「街医者じゃなく、大きな病院できちんと見てもらった方がいい」とアドバイスをくれました。 ここが分水嶺でした。 少しだ…

あなたは痙性斜頸ではない、と言われた日

私はさっそく医師にスマホの画面を見せました。 「これじゃないですか?」 医師はかぶりを振って否定しました。 「あなたは痙性斜頸ではない」 「この症状なんですよ!」 「首にクセでもついたんじゃないですか、そのうち元に戻ります」 私は腑に落ちずに、…

これか!

ジストニアには種類があるようでした。 1.痙性斜頸・・・頸部つまり首の筋肉に起こるジストニア。 2.突発性捻転ジストニア・・・5~15歳で発症。原因不明で身体が捻じれる。 3.遅発性ジストニア・・・精神疾患に用いる向精神薬の影響で発生。 4.書痙・・・字…